トゥモローゲート株式会社の業績推計【ブラックな企業】

財務分析
スポンサーリンク

記事の信頼性

この記事は2023年7月時点でトゥモローゲート株式会社から公表されている一次資料を現役の経理・財務マネジャーである筆者が推計する形式で2023年3月期および2024年3月期(決算期はWikipediaを参照しました)におけるトゥモローゲート株式会社の損益計算書を推計しました。

想定読者

この記事は以下の読者を想定して記載しています。

  • トゥモローゲート株式会社って儲かっているの?
  • トゥモローゲート株式会社はどのぐらい儲かっているの?

こういった疑問に答えます。

業績を明らかにする手順

トゥモローゲート株式会社は業績を開示していない

まず、前提としてトゥモローゲート株式会社は上場企業でありません。

そのため、有価証券報告書から業績を抽出することはできません。

また、決算公告もしていません。そのため、トゥモローゲート株式会社自らがはっきりと業績を開示していないのが現状です。

信頼性のある一次情報から推計する

したがって、業績は「信頼性のある一次情報」から推計する方法で算定することにします。

具体的には以下を順次推計することで業績を予想することにします。

  1. 売上高を推計する。
  2. 費用を推計する。
  3. 利益を推計する

では、早速ですが売上高を推計していきます。

売上高の推計

売上高は以下を起点に推計することにします。

https://www.youtube.com/watch?v=mbotWRPFgkw

これは、社員数が15人の時代に70Mもの費用を投じてオフィスを設けた際のインタビュー動画です。

この動画で社員数が15人であった当時の売上高を

1.5億円

とおっしゃっています。ここを起点として、売上高を

社員数が15名である時期は、以下の情報から2018年時点であると推計します。

https://job.mynavi.jp/24/pc/search/corp106561/outline.html

2023年2月時点で、社員数が46名となっていることから、2023年3月期および2024年3月期の売上高は少なくとも当時の3倍超である

5億円

この数字は超えてくるでしょう。

さらに、

  • 2019年から社長である西崎様が2019年にYoutubeを開始し、2023年8月時点で累計60Mもの視聴があり、飛躍的に知名度を上げたこと。
  • 新卒採用HPに「売上高成長率年平均151.3%」という記載があること

以上から例えば、2019年3月期の売上高が1.5億円でも毎年150%成長であれば、

  1. 2020年3月期:2.2億円
  2. 2021年3月期:3.3億円
  3. 2022年3月期:5億円
  4. 2023年3月期:7.5億円
  5. 2024年3月期:11億円

以上となります。したがって、

2023年3月期の売上高は、

8億円

2024年3月期の売上高は、

10億円

この数字になっても不思議ではありません。今回はこの数字を売上高とします。

2023年3月期/2024年3月期の費用は?

人件費の推計

まずは、費用のうち人件費を推計していきましょう。

人件費は、以下の通り分類した上で算定します。

  • 役員報酬
  • 執行役員/正社員の給与
  • パート・アルバイトの給与
役員報酬

トゥモローゲート株式会社の取締役の構成は以下の通りです。
なお、かっこ内は想定する役員報酬等です。

  • 代表取締役 :西崎康平(3,000万円)
  • 取締役 :池田亮(1,500万円)
  • 取締役 :西崎隼平(1,500万円)

以上より、役員報酬等は合計6,000万円と推計します。
ここに法定福利費が15%程度かかるため、法定福利費を含めた役員報酬は

6,900万円

と推計します。

執行役員/正社員の給与

まずは執行役員の給与を推計します。

トゥモローゲート株式会社の執行役員の構成は以下の通りです。
なお、かっこ内は想定する給与等です。

  • 執行役員 :水城達裕(1,000万円

以上より、執行役員の給与等は合計1,000万円と推計します。
ここに法定福利費が15%程度かかるため、法定福利費を含めた役員報酬は

1,150万円

と推計します。

次に正社員の給与を推計します。

正社員の数は、以下の資料を元に推計することとします。

https://job.mynavi.jp/24/pc/search/corp106561/outline.html

こちらの情報をもとに2023年3月の従業員数は46名/2023年4月の従業員数は60名と推計しました。

正社員の平均年収は次の資料から500万円(法定福利費を除く)と推計しました。

正社員の平均年収を350万円(法定福利費を含む)とすると、2018年~2020年の正社員の給与は以下の通りです。

https://job.mynavi.jp/24/pc/search/corp106561/outline.html

以上から2023年3月期の正社員の給与総額は

46人×500万円×115%(法定福利費を加算)=

2.6億円

このように推計します。

同様に2023年4月期の正社員の給与総額は

60人×500万円×115%(法定福利費を加算)=

3.5億円

このように推計します。

パート・アルバイト給与

パート・アルバイト給与は、概ね正社員給与総額の10%とします。

従って、2023年3月期のパート・アルバイト給与総額は

2.6億円×10%=

0.2億円

と推計します。

同様に2023年4月期のパート・アルバイト給与総額は

3.5億円×10%=

0.3億円

と推計します。

人件費のまとめ

以上から2023年3月期および2024年3月期の人件費合計額は以下と推計します。

2023年3月期

  • 役員報酬・・・・0.7億円
  • 正社員給与・・・2.7億円
  • 他給与・・・・・0.2億円

以上より、人件費の合計は

3.6億円

と推計します。

また、同様に2024年3月期は

  • 役員報酬・・・・0.7億円
  • 正社員給与・・・3.6億円
  • 他給与・・・・・0.3億円

以上より、人件費の合計は

4.6億円

と推計します。

広告宣伝費の推計

次に広告宣伝費の推計をしていきます。

広告宣伝費は、西崎社長がYoutube等を通じて発信をしている影響でかなり低く抑えられているのではないでしょうか。

これだけ知名度があれば、広告宣伝費を抑えても集客等ができるのではないでしょうか。

そのため広告宣伝費は売上高の10%程度とします。

従いまして、

2023年3月期では、

8億円×10%=

0.8億円

2024年3月期では、

10億円×10%=

1億円

と推計します。

地代家賃

大阪・東京のオフィス賃料を推計する。

次に、地代家賃を検討していきます。

トゥモローゲート株式会社は以下のオフィスを構えています。

  • 大阪本社
  • 東京支社

おそらく、これはいずれも賃貸でしょう。

次に各々物件の周辺相場および床面積から賃料を推計します。

物件坪数坪単価(推計)月額賃料(推計)年額賃料(推計)
大阪本社456坪13,000円6M72M
東京支社23坪16,000円0.3M3.6M
合計6.3M75.6M
坪単価は近隣物件の坪単価から引用しています。

【大阪本社オフィス 参考情報】

坪数の参照資料
坪単価の参照資料。https://www.estie.jp/products/finder/office/building-detail/52847

【東京支社オフィス 参考情報】

https://officee.jp/detail/11082/377085/

上記の表より賃料は、

0.8億円

と推計します。

2023年3月期/2024年3月期の費用まとめ

以上から、費用をまとめると以下のようになります。

【2023年3月期】

  • 人件費・・・・・ 3.6億円
  • 広告宣伝費・・・ 0.8億円
  • 賃料・・・・・・ 0.8億円
  • 採用手数料・・・・0.1億円(一人当たりの採用手数料を1M,概ね年10名中途採用と仮定)
  • 減価償却費・・・・0.1億円(デザインにこだわったオフィスにつき、多め)
  • 他・・・・・・・ 1億円(売上高の10%程度)

以上より、費用合計は

6.4億円

と推計します。

【2023年4月期】

  • 人件費・・・・・ 4.6億円
  • 広告宣伝費・・・ 1億円
  • 賃料・・・・・・ 0.8億円
  • 採用手数料・・・・0.1億円(一人当たりの採用手数料を1M,概ね年10名中途採用と仮定)
  • 減価償却費・・・・0.1億円(デザインにこだわったオフィスにつき、多め)
  • 他・・・・・・・ 1億円(売上高の10%程度)

以上より、費用合計は

7.6億円

と推計します。

いよいよ最終結論!トゥモローゲート株式会社って儲かっているの?

さて、売上高/費用の推計が完了しました。

算定した売上高/費用を反映した結果、2023年3月期/2023年3月期におけるトゥモローゲート株式会社の簡易的なP/L(損益計算書)は以下の通りです。

2023年3月期
簡易P/L
2024年3月期
簡易P/L
売上高810
費用人件費3.64.6
賃料0.80.8
広告宣伝費0.81
減価償却費0.10.1
採用手数料0.10.1
11
費用合計6.47.6
営業利益1.62.4
(単位:億円)

以上から、

営業利益は

2023年3月期:

1.6億円

2023年4月期:

2.4億円

分析してわかったこと

2023年3月期/2024年3月期におけるトゥモローゲート株式会社のP/Lは、

1億円~3億円の営業利益

は、ほぼ確実でしょう。

また、オフィス賃料が想定より低く抑えられているという印象でした。賃料が安い物件をうまく見つけることで、アピールと費用抑制を両立できているようです。

非常に興味深い会社様ですので、引き続き調査を行い、P/L推計をさらに高めていく予定です。

日商簿記3,2、経理の仕事に役立つ150以上の動画を学ぶサイト【Accountant’s library】



コメント

タイトルとURLをコピーしました