「鬼滅の刃」は東宝に降りかかる「コロナ禍」を切ったのか?

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鬼滅の刃が空前の大ヒットに!

「鬼滅の刃」は2020年10月16日に公開されました。

その興行収入は2021年2月1日時点で

368億円

となっています。

この数字は興行収入316億円であった「千と千尋の神隠し」を抜いて

歴代1位の興行収入

となっています。

「鬼滅の刃」の大ヒットで配給会社の東宝の業績はどうなった?

では、「鬼滅の刃」の大ヒットによって

その配給会社である「東宝」の業績

はどうなったのでしょうか。

この記事では、「鬼滅の刃」によって「東宝」の業績がどうなったのかを書いていきます。

想定読者

この記事の想定読者は以下の通りです。

  • 「鬼滅の刃」の大ヒットで東宝の業績がどうなったのか知りたい。

このような疑問を持つ読者様に、「鬼滅の刃」の大ヒットによって東宝の業績がどうなったのか解説していきます。

記事の信頼性

この記事は、上場企業で開示書類の作成経験がある筆者が東宝株式会社から開示されている有価証券報告書、決算説明資料等の一次資料を元に記事を作成しています。

なお、筆者自身の考察は「筆者補足」のみとし、一次資料をわかりやすく記載するということを重視しています。

東宝株式会社の2020年3月~11月期の経営成績は?

早速、東宝株式会社の業績を見ていきましょう。

2021年2月4日現在、最新の開示情報は2021年2月期第3四半期決算分となります。
これに合わせて、過去2年分の第3四半期累計期間を示すと以下の通りとなります。

2020年2月期
(2019年3月~11月)
2021年2月期
(2020年3月~11月)
前期比増減率
営業収入2,0111,378▲632▲31.5%
営業利益428171▲256▲59.9%
経常利益443182▲261▲58.9%
(単位:億円)

「筆者考察」2020年3月~11月決算の解説

「鬼滅の刃」は公開から45日目(2020年11月30日)で興行収入が

275億円

となっています。

また、興行収入は一般的に50%が配給会社に入るといわれています。
したがって、「鬼滅の刃」の配給会社である東宝には、この50%である

137億円

つまり、2020年3月~11月で「鬼滅の刃」によって売上高137億円が計上されているはずです。

この他、東宝は映画興行事業として「TOHOシネマズ」も展開しているため、少なくとも

200億円

という売上高を上げていると考えられます。

しかし、これを以てしても、売上高は昨年の2,011億円から▲632億円となる1,378億円となっており、「鬼滅の刃」でもコロナ禍を切ることはできなかったことがわかります。

ただ、「鬼滅の刃」がなければ営業収入は昨対比で50%減に迫るほど減少していため、「鬼滅の刃」が東宝の業績を救ったことは間違いありません。

次回作は、コロナ禍が去ったタイミングで皆で大手を振って映画鑑賞ができると良いですね。

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