想定読者
この記事の想定読者は以下の通りです。
- メルカリが黒字化した理由を知りたい。
- メルカリの今後の業績予想を知りたい。
- これから株価の上昇が期待できるのかを知りたい。
このような疑問を持つ読者様に株式会社メルカリの経営成績について解説していきます。
記事の信頼性
この記事は、上場企業で法定開示書類を作成した経験がある筆者が株式会社メルカリから開示されている有価証券報告書、自社HP等の一次資料を元に記事を作成しています。
なお、筆者自身の考察は「筆者補足」のみとし、一次資料をわかりやすく記載するということを重視しています。
記事の目次
この記事は以下の目次は以下の通りです。
- 2021年6月期のメルカリの業績は?
- 過去5年のメルカリの業績は?
- なぜ2021年6月期に黒字化できたのか?
- そもそもメルカリはどのような事業を行っている会社?
- 事業別の業績は?
- 事業別の将来性は?
- メルカリの今後の業績は?
1.2021年6月期のメルカリの業績は?
2021年6月期の株式会社メルカリの業績は以下となります。
FY2021.6 | |
売上高 | 1,061億円 |
営業利益 | 51億円 |
経常利益 | 49億円 |
当期純利益 | 57億円 |
2021年6月期に営業利益が黒字転換したため、ニュース等で話題になりました。
では、その前までの業績はどのような状況だったのでしょうか。
2.過去5年のメルカリの業績は?
過去5年の株式会社メルカリの業績は以下となります。
FY2017.6 | FY2018.6 | FY2019.6 | FY2020.6 | FY2021.6 | |
売上高 | 220億円 | 357億円 | 516億円 | 762億円 | 1,016億円 |
営業利益 | ▲27億円 | ▲44億円 | ▲121億円 | ▲193億円 | 51億円 |
経常利益 | ▲27億円 | ▲47億円 | ▲121億円 | ▲193億円 | 49億円 |
当期純利益 | ▲42億円 | ▲70億円 | ▲137億円 | ▲227億円 | 57億円 |
このように、
売上高の拡大を優先し利益の確保を劣後
させてきたメルカリが、売上高を増加させつつ利益を確保したことがニュースで取り上げられた要因のひとつです。
3.なぜ2021年6月期に黒字化できたのか?
では、メルカリは前年の200億円近くの赤字から、なぜ50億円の黒字化を達成できたのでしょうか。
この要因を探るため、
- メルカリはどのような事業を行っているのか。
- 各々の業績が2021年6月期にどのような影響を与えたのか
この2点を見ていきます。
4.そもそもメルカリはどのような事業を行っている会社?
メルカリの主な事業を整理していきます。
メルカリの主な事業
メルカリの主な事業は以下の3つです。
- メルカリ(JP)事業
- メルカリ(US)事業
- メルペイ事業
次に、各事業の業績を見ていきましょう。
5. 事業別の業績は?
事業別の業績を見ていきます。
まずは、メルカリ(JP)事業の業績を見ていきます。
メルカリ(JP)事業の業績
メルカリ(JP)事業の業績は以下となっております。
FY2017.6 | FY2018.6 | FY2019.6 | FY2020.6 | FY2021.6 | |
売上高 | 212億円 | 334億円 | 462億円 | 587億円 | 751億円 |
営業利益 | 44億円 | 74億円 | 94億円 | 185億円 | 242億円 |
このように、メルカリ(JP)事業の拡大によって、営業利益が前期比
+60億円
となっています。
メルカリ(US)事業の業績
メルカリ(US)事業の業績は以下となっております。
※2021年6月期の決算説明資料から業績が開示されるようになりました。
FY2017.6 | FY2018.6 | FY2019.6 | FY2020.6 | FY2021.6 | |
売上高 | 22億円 | 53億円 | 103億円 | 194億円 | 378億円 |
営業利益 | ▲52億円 | ▲74億円 | ▲70億円 | ▲114億円 | ▲43億円 |
1ドル=110円で換算。
売上高が年2倍ベースで拡大していることがわかります。
また、2020年6月期までは営業赤字が拡大していましたが、2021年6月期は営業利益も改善しています。2021年6月期の第4Qに至っては営業利益は黒字化しています。
このように、メルカリ(US)事業は事業規模の拡大によって、営業利益が前期比
+71億円
となっています。
メルペイ事業の業績
メルペイ事業の業績は、開示がありません。
そのため、メルカリ全社の業績からメルカリ事業(JP,US)を除いた数字をメルカリ事業等とします。
売上高がなぜかマイナス表記とされました。
要因は以下が考えられます。
- メルカリUSの為替換算が保守的
- メルペイ事業の売上高が僅少
また、営業利益は
1億円~2.5億円程度の赤字
となっているものと思われます。
6.事業別の将来性は?
メルカリ(JP)事業は年20%超の増収増益となっており、かつまだまだマーケットの拡大が見込めることから今後3年は成長が見込まれます。
メルカリ(US)事業は年100%程度の増収となっており、売上高の拡大はまだ途上であると考えられます。日本とアメリカというGDPの大きさを考えるとまだまだマーケットの拡大が見込めます。今後5年は成長が見込まれます。 また営業利益も改善されており、今後2,3年で営業利益も黒字化するでしょう。
メルペイ事業はまだまだ収益貢献はできていない事業であるが、5月単月では黒字化する等、徐々に収益貢献もできる状況となっているようです。
7.メルカリの今後の業績は?
メルカリの今後2~3年の業績は、
- メルカリ(JP)は20%程度の増収増益
- メルカリ(US)は50%超の増収を確保し、徐々に収益貢献度が向上
- メルペイはメルカリ事業とのシナジーを発揮しつつ、将来的なフィンテック領域での収益獲得を狙う(今後2,3年は赤字が継続すると予想)
このような状況を予想します。
上記の成長率を考慮すると、今後2,3年の業績予想は以下の通りです。
このように順調に増収増益基調を継続すると予想します。
安定的に成長しているメガベンチャーですので、今のうちに投資する選択肢も検討してはいかがでしょうか。
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